派遣の雇用形態は、通常は雇用するために契約を結ぶ場合、雇用者と労働者の二面的契約関係となりますが、労働者派遣法によって認められた形態では、派遣元である派遣会社が実際の雇用者となり、その雇用者と派遣労働者、派遣先と労働者、派遣元と派遣先という三面的契約関係となるのです。
派遣にはこのようにいろいろな仕事があります。華やかな業界でも実際はコツコツとした仕事が多いものです。また、どんな仕事も厳しさはあります。業界のイメージや仕事の名前だけで選ぶのではなくて、自分のやりたいことや、持っている技術、今後身につけたいスキルや条件などを考慮して選ぶことが大切です。派遣の仕事は期間が決まっていますので、同じ仕事を続けるのではなく、期間が終了したら違う仕事に就くことができます。いくつかの仕事を体験していくうちに自分に合う仕事や、やりがいのある仕事が見つかる場合もあります。そういった意味でも派遣で複数の仕事に取り組むのはいいことだと言えます。
派遣された社員の給料は、自分を派遣した会社から入って来ます。しかし仕事の指示を受けるのは派遣された先の会社です。労働者派遣法ができる前、労働者の就業はすべて職業安定法で定められていました。その職業安定法では、派遣労働者が派遣先の指揮監督を受け労務を提供した結果として賃金をもらう際に、派遣元が仲介して利益を得ることを禁止しています。ということは、労働者派遣法という法律が1986年7月1日に成立するまでは、派遣会社というのはあり得なかったわけです。ところが実際には、それ以前に設立された会社がいくつかあります。
派遣を要請した会社(派遣先)の利点は、まず高い賃金を派遣会社(つまりは派遣元)に払っている様でも、実際にはかなりの人件費のコスト削減になっていることです。人を一人正社員で雇い入れると、賃金のほかに見えないコストがかかります。会社やシステムによって違いますが、だいたい賃金のほかに20万円くらいはコストが掛かるのが普通です。
派遣業の創成期において派遣会社の社長は職安の指導がいつ来るかと、ビクビクしながら仕事をしていたと言います。一応派遣という言葉は使わずに事務処理請負サービスと称して、真っ向から法律に歯向かうことはしませんでしたが、そもそも一般的な視点から見れば全然問題のない合法な職業です。そのため、たまたま告発されることがあっても不起訴処分で終わり、逆に法律側が折れて労働者派遣法ができたわけです。